青春はなぜ青い?五行五色の由来と中華娘に蹴られた(玄)話

紫

青春は、なぜ青い春なのか?
白秋は、なぜ白い秋なのか?
何気に使っている言葉に含まれる色のつく言葉。
それは、2000年以上前の思想に由来しています。

色のつく言葉の雑学を紹介します。

青春・朱夏・白秋・玄冬の由来~なぜ色つきなのか?

私たちが使っている色で表す言葉。
青春、黄金、朱雀、白旗、黒幕、、、
その多くが1つの思想を元に作られています。

古代中国で、あらゆる自然や物質の有り様を5つのシンボルに割り当てる五行説。
木火土金水(もく・か・ど・ごん・すい)
この5つの要素が世界を形作るという思想=五行思想に色を配当したもの「五色」を語源とする言葉が数多くあります。

なんだ、昔の迷信か。
そう言うなかれ。

お正月だって節分や恵方巻き、ひな祭りや七夕にいたる私たちが経験するほとんどの風習は、この五行の思想が元になっています。

五行

干支などのカレンダーはもちろん、易経、風水、気学や四柱推命といった占いも元をたどれば五行思想に行き着きます。

「木火土金水」の5つから世界が成り立つという説は誤解です。
この5つの要素は五気・五材とも言われ、
人間の生活にとって必要な道具、材料という意味合いを象徴化したものです。

長い年月を経て、この五行に方角、季節や「色」を配分して付け加えていきました。

春は季節の始まり芽吹きの草木から「」として「」を配する。
夏は燃えるように暑いから「」で「赤(朱)」。
秋は収穫を終えた草木が枯れる→傷つく→刃を連想して「(刃)」。
また、空気は冷えてきて白露が霜となり土を「」くする。
冬は夜を暗くして冷たいので「」を配し、水は空と海で最深淵になるほど色濃くなるので「黒(玄)」をなす。
」は大地を表し「」を配します。

 
正色
間色

連想ゲームみたいなもので色の配色を見ると水に黒を配するなど「えっ!?」と、疑問に思うものもありますが。

同じ区分の文字を合わせると、
青春」、「朱夏」、「白秋」、「玄冬
となりますね。

四季の移ろいを春夏秋冬と色で人生にたとえたのですね。

この連想ゲームから派生して、とっても複雑な区分けが作られました。

「間色(かんしき)」というのも、連想・複雑化する中で生まれたのでしょう。
」、「」、「」、「縹(はなだ)」、「
※縹は藍染めの純正な青

これらの色で区分して身分を表したのが「冠位十二階」です。

紫は赤と青を混ぜ合わせた今の紫色ではなく、赤と黒を混ぜ合わ赤茶色です
「紫草」から色を抽出したのだとか。
赤と黒なら五行間色の区分と合致しますね。

なぜ五色ある~その由来は陰陽五行説にある

北辰

後に「陰陽」の思想と結びついて「陰陽五行説」が生まれます。

陰陽とは、現代の2進法に似た区分でデジタルぽくもあります。
万物は「陰・陽」の2気が互いに調和して消長を繰り返し秩序が保たれている。

光があれば、明るい場所と暗い場所ができるように人間にも明るいと暗いが心身にあり、太陽は陽なら月は陰、天が陽なら地は陰、昼が陽なら夜は陰、暖と寒、男と女、、、という具合に区分けしていきます。

春夏は「陽」、秋冬は「陰」。
春は「陽中の陽」で秋は「陰中の陽」。
夏は「陽中の陽」で冬は「陰中の陰」という具合。

先程の紫の話、赤と黒から生まれた色。
赤は「火=夏=陽中の陽」、
黒は「水=冬=陰中の陰」を意味します。

よって紫はこの2色の陽と陰が出会い融合する極限状態「太極」の象徴色です。
「太極」は宇宙を示しています。
京都御所の正殿の「紫宸殿」、中国にある「紫禁城」の紫です。
「紫宸殿」の「宸(しん)」は北辰こと北斗七星のことです。
そこから「天皇の座する場所=天皇の宮」という意味があるのです。
黒の変わりに青「木=春=陽中の陰」だと統一体とはならず「太極」とはなりません。
赤と青だと、ただ燃えちゃうだけですね。

他にも五色から派生したもので方角があります。

東 青龍(せいりゅう)
南 朱雀(すざく、すじゃく、しゅじゃく)
西 白虎(びゃっこ)
北 玄武(げんぶ)

京都の南の朱雀門や会津の白虎隊など、日本でも馴染みの深い呼称があります。

神棚をお祀るする際に用いる「五色の絹(布)」や「五色旗」は、この方位を守護する四神と天位中央の黄から成る天地万物の象意です。

金属といった物質にも五色を相当して区分しました。
五色の金(ごしきのかね)

鉛 青金(あおがね)
銅 赤金(あかがね)
銀 白金(しろがね)
鉄 黒鉄(くろがね)
金 黄金(こがね、おうごん)

他にも「五色の水引」で、黒を紫に青を緑にして「紫・白・赤・黄・緑」の配色を用います。
七夕の「五色の短冊」も「黒(紫)・白・赤・黄・青」で飾りますよね。
これらも、五行の思想が由来しています。

中華娘に蹴られた玄い思い出話

学生時代、とても親しくなった中国系の女性を前に中国の古典を披露した瞬間。
まさしく足蹴にされた話です。

その前に、黒をなぜ玄とするのか?
黒と玄は、水でもあり天でもあるとされました。
黒=玄=水=天

玄とは、
暗くてひっそりとして奥深いこと。あいまい。か細い。実体がないさま。

人によっては、赤味がかった黒とする方も。

「幽玄(ゆうげん)」という言葉があります。

幽玄とは、奥深く微妙で、容易にあかり知ることのできないこと。
また、あじわいの深いこと。
上品でやさしいこと。

広辞苑にそうあります。
日本文化、日本人の美意識に通底する概念だとか。

この幽玄、もとは老子の思想からきたのだとか。
確かに、老子はこの「玄」を多用しています。

老子からの一説、

谷神(こくしん)は死せず、是(これ)を玄牝(げんぴん)と謂(い)う。
玄牝の門、是を天地の根(こん)と謂う。
綿々として存するがごとく、之(これ)を用いて勤(つ)きず。

谷の神は不死身。
谷神とは、くぼみや割れ目に宿る神~隠喩として女性器を暗示しています。
玄牝の牝とは女性=母、万物を生み出す「始め」。
天地の根とは、万物を生み出す根。
男根、女根の根。
玄牝の門も天地の根も同じく女性のメタファーです。
綿々、ずっと絶え間なくほそぼそと続くが「存するがごとく」~存在しているがはっきりとみえない万物の源。
「勤」きず~力尽きない、疲れないの意味。
之を用いて勤きずとは、いくら使っても尽き果てないの意。

この1章句を学生時代に丸暗記した私。
私なりに女性賛美の句だと解釈しました。

中国語がネイティブな留学生と仲良くなった私。
とても親しくなりコトに及ぶまさにその時、
私は思わず暗唱したその老子の一句を口にしたのです。

お相手が老子や日本語版を理解してるとは思いもよらなかったです。
その女性は、怒って私のお腹に両足キックをみまいました。

後で、言い訳を聞いてくれて仲直りしましたが、フザけたと思ったそうです。

他者を理解するというのは、玄なるものです。

五色の言葉のまとめ

大昔からの思想に由来する言葉や慣習を今も脈々と受け継いで使っている私たち。
普段、気には止めないけど知ると「ほぉ~」となるであろう、雑学の話でした。

お役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

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