実は「〒マークを書く必要はない」こと。
知っていました?
私は書いていました。
書かないと、相手に失礼に当たると思っていました。
書いていなければ、郵便局の方も困るのだろうと。
まったく逆でした。
郵便のマーク「〒」は、自分で書いたり、印刷してはいけないのです。
書き方を間違えると、郵便局の職員さんに二度手間を取らせている事も。
〒記号や郵便番号の正しい記載の仕方。
〒マークの由来についての紹介です。
〒マークは書いてはダメ!郵便番号の書き方
手紙など、郵便物のやり取りに必須なのが郵便番号です。
お使いのスマホやPCで
「ゆうびんばんごう」「ゆうびん」などと入力すると「〒」が候補に現れるのでは?
この「〒」記号、封筒や手紙にわざわざ書く必要はないそうです。
むしろ「〒」マークは、書かないほうが良いのです。
「〒」←これの呼び名
「郵便番号マーク」「郵便マーク」などと呼ばれ、普及している「〒」ですが、正確な呼び名は「郵便記号」。
郵便局員さんに聞くと「通じるから、どちらでもいいよ」との答えが。
「〒」マークの記載が要らないことは日本郵便の各種約款内で情報公開されています。
内国郵便約款(別記1)、郵便記号を記載する方法にこのことが詳しく書かれています。
郵便番号の前後には「郵便番号」「〒」その他これらに類する文字又は記号及び「親展」、「至急」、「重要」その他これらに類する文字又は日時並びに会員番号、電話番号、口座番号その他これらに類する事項を記載できません。
「〒」マークは「郵便番号の前と後ろに記載できない記号や文字」に当てはまります。
一番上の例以外は、NGということになるのです。
000-0000 | ○ 可 |
郵便番号 000-0000 | ☓ 不可 |
〒000-0000 | ☓ 不可 |
000-0000 (至急) | ☓ 不可 |
000-0000 (会員No.000123) | ☓ 不可 |
郵便番号に下線を引くのもNGです。
また、郵便番号と宛て名との間は、一定の間隔をあけて空白とすること、と決まっています。
例)
000-0000
(2ミリメートル以上の空白を設ける。)
千代田区丸の内3丁目1-1
郵便 二郎 様
郵便番号の3ケタ目と4ケタ目をハイフンでつなぐこと。
ハイフンなしでの記載もNGでした。
例
000-0000 | ○ 可 |
000 0000 | ☓ 不可 |
郵便番号の数字及びハイフンの間隔は、等間隔とすること。
例えば、
000-0000 | ○ 可 |
000-00 00 | ☓ 不可 |
000 - 0000 | ☓ 不可 |
さらに、郵便番号を枠で囲んではいけないそうです。
よって正解は、
数字とハイフンのみの 〇〇〇-〇〇〇〇 が正しい記載の仕方になります。
あれっ?!
よく「〒」と書いて送っているよ?
間違った書き方でも届いていたよ、と思う方もいるでしょう。
それは、郵便局側で仕分けをしてくれているからです。
機械では読み取りが困難で弾かれた場合でも、PCの写真画像データ(VCS)を人の目で確認して、文字や数字を再記入してバーコード化するそうです。
良かれと思って書いていた「〒」マークによって局員さんに二度手間を取らせていたんですね。
ちなみに、「〒」マークを海外宛の郵便物に書いても意味はありません。
日本国内のみで認識される記号ということですね。
郵便番号と住所を一緒に印刷する場合
枠を自分で書いてはいけない、と先ほど書きました。
青や黒の成分をまったく含まない、朱や赤色インクの枠ならOKで、
それ以外だと、読み取りがしづらくなるのだとか。
官製はがきや私製はがきで、郵便番号の欄が朱色で刷られている理由でもあります。
筆王や筆まめなどの年賀状ソフトで、
はがきの郵便番号の枠に位置合わせをしてくれます。
ソフトを持っていない場合や、ラベルシールで出力して貼り付けて使う場合は
このようにすればOK
10㎜(15mm)の余白をとった枠内、
図でいうと、点線の枠内におさめれば「〒」マークは不要です。
郵便番号と住所の間は、最低2mm以上の余白をとるよう規定されていますが、
「1行分以上の余白」が推奨です。
また、はがきや封筒に並行に(5度以上の傾きがないように)貼るように留意しましょう。
〒マークの由来について
郵便マーク「〒」の由来についてのお話。
2001年の郵政民営化まで、郵便の取り扱いは「郵政省」が行っていました。
その郵政省、元は「逓信省」という名前の組織でした。
「逓信」とは、順次にとりついで音信を通ずるという意味です。
読み方は「ていしん」。
この逓信省(ていしんしょう)の頭文字「テ」から今の郵便記号(マーク)ができたと言われています。
明治20年、1887年2月8日に逓信省から「今より(T)字形を以て本省全般の徽章(きしょう)とす」の告示がありました。
徽章=記章、メダル、バッジなど。
ところが同2月19日の官報では「T」ではなく、「〒」の誤りだったと訂正されます。
この「T」マークは、世界各国で郵便料金が不足している印として使われていたんです。
当時の横浜郵便局長らが「T」は紛らわしいと抗議したので、急いで今の「〒」マークに差し替えたのだとか。
「ていしん」から、英語のティー「T」がハイカラでヨロシイと決定したものの、当時の逓信大臣、榎本武揚がスマンスマンと誤りを認め変更したのだとか。
「テ」の字から、甲乙丁の「丁」からと諸説ありますが、昔のほうが大臣もお役人さんも機敏で臨機応変に対応したことが伺えます。
元々郵便マークを◯に一を引いて作っていたけど、外国人に聞かれて答えに窮したから作り直したそうです。
普段、私たちが使っているマークにもたくさんの物語があるんですね。
参考にして頂ければ、幸いです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。