現在知られている、多くの雪上の競技。
それらの原点でもある、スキー。
その「スキーの原点」といわれるクロスカントリーについて。
オリンピックの正式種目でもあります。
クロスカントリースキーの歴史とルーツ、
さらに、走法で変わるルールについてまとめました。
クロスカントリーの歴史とルーツ
数多くあるノルディックスポーツの原点はスキーともいえます。
スキーは、移動や狩りの
手段として生まれて発達したものですが、
そこに、遊びの要素や、
スピード、回転、ジャンプなどの
技が加わりスポーツになっていきます。
それら、あらゆるスキースポーツの
元となるのがクロスカントリースキーという種目です。
スキー(ski)という言葉は
元来、古代ノルウェー語の"skíð"という「木の棒」という意味から来ています。
日本の歴史より古い5000年以上前から、クロスカントリースキーの原型であるスキーが生活の営みとして存在していたとされます。
特に18世紀頃の北欧では、交通面(生活圏の移動)と軍事面においてクロスカントリースキーが飛躍的に発展します。
日本人がスキー道具を初導入したのは1902年。明治35年です。
ノルウェー大使によってとあります。
導入のきっかけは、同年の痛ましい遭難事故。
青森県の八甲田山で、行軍練習中の日本の兵士、
陸軍兵が雪中で遭難し、
210人のうち205名が命を落とす惨事となってしまいました。
1767年には軍事スキー競技会の場で、ルールが成文化されています。
・「トップスピード」でスキーをしつつ、40~50の的を撃つ。
(バイアスロンのルーツ)
・スキー板から落ちず・壊さず、木々の間を滑る
(スラロームのルーツ)
・大きな斜面を休むことなく滑降
(ダウンヒル・滑降のルーツ)
・約2.5kmの平坦道を15分以内軍事装備を背負いつつの長距離走
(クロスカントリーのルーツ)
18世紀の、軍事的に組織されたスキーがノルウェーでスポーツ化を果たし、
19世紀初頭には滑降スキーやクロスカントリースキーの競技が開催されていました。
1924年の第1回冬季オリンピック、
シャモニー大会よりクロスカントリーは正式種目として採用され、52年のオスロ大会より女子種目が追加。
76年には、パラリンピック・クロスカントリースキーが追加されました。
冬季オリンピックでの
日本勢のメダル獲得は未だ、ありませんが、
2016年にフィンランドで開かれた
IPC(国際パラリンピック委員)ノルディックスキーワールドカップでは
日本の阿部友里香さんが金メダルを獲得しています。
(男女クロスカントリー・スプリント・クラシカル)
クロスカントリーのルール
ルールは、2つの走法によって大別されます。
クラシカル走法(交互滑走法)と
スケーティング走法(フリー)の一方か両方を組み合わせた競技があります。
競技コースは、上り坂・平坦・下り坂の区間がそれぞれ比率1/3で構成されることが規定で定められています。
男子・女子で6種目、計12種目がオリンピックで開催されます。
クラシカル走法
両足を平行にし、
すり足で移動推進する交互滑走(ダイアゴナル)、
スキーポールを支持点に体を屈曲して足を揃えて移動する推進滑走、
スキー板をV字開脚して左右交互に重心移動をして登坂する開脚登行、
これらをコースによって使い分け競技します。
スケーティング(フリー)走法
走法技術に制約がなく、
下り坂滑降以外は、スケート技術を応用したスケーティング滑走で競技します。
地形や状況によって数種の技術を使い分けています。
クラシカルは、足を上げての走法ができないのでワックス選定が需要になります。
フリーとクラシカルでは、機材の靴やワックスに至るまで違いがあります。
個人競技
それぞれ15-30秒間隔でスタート、男子15km、女子10kmをクラシカル走法またはフリー走行。
スキーアスロン
前半をクラシカル走法。後半をフリー走法。
両走法を連続で行う競技です。
ピットと呼ばれる中継地点で機材を交換して順位を競います。
同時スタートで男子30km、女子15km。
スプリント
4名の同時一斉スタートで
男子は1km~1.8km、
女子は0.8km~1.6kmの周回コースを争い、着順・勝ち上がり方式で予選・決勝が行われます。
チームスプリント
1チーム2名構成。
4~5の同時一斉スタートを行い、
男子1km~1.8km、女子0.8km~1.4kmの周回コースを規定周回毎に交代(3~6回)しつつ着順を競い予選・決勝を行う。
マススタート
全選手が一斉スタート。
男子50km、女子30kmをクラシカル、またはフリー走行で競う。
リレー
1チーム4人構成で、1番手と2番手の走者はクラシカル走法、3、4番手の走者はフリー走法。
男子は10km×4人、女子は5km×4人で走行し争う。
クロスカントリースキーのまとめ
北欧では、冬の日常の足として
今も一般の人達がクロスカントリースキーを用いて生活しているのだとか。
フィンランドでは、3歳になるとクロスカントリースキーを覚え始めるといいます。
そら、日本勢は敵わないやとなりそうですが。
粘り強く取り組む姿勢と
ワックス選定に強みがあると聞きます。
すべての選手の健闘を祈って終わりとします。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。