お店で「のし紙」が欲しいと言って、お祝い(慶事)用の熨斗紙を渡されたら大変。
こちらで、お彼岸用の「掛け紙」はどういったものか知っておきたいですよね。
デパートなら大丈夫だろうけど・・・
コンビニやスーパーなどだと「お彼岸のお供えものに~」と店員さんに伝えても通じないかも。
3つのポイントを押さえておくだけで「のし」知識は大丈夫。
薄墨で書くのも、重要です。
サクッと目を通してやって下さいませ。
お彼岸のお供え~「のし」のマナーはこの3つ
知っておきたい~お彼岸のお供え「かけ紙(のし紙)」のポイント3つ
①のし付きの有無
②水引の色と形
③表書きと名入れの書き方
①「のし(熨斗)」とは?
矢印で指した場所です。
この「のし・熨斗」が描かれたものが「熨斗紙」です。
元々は、海産物の「あわび(鮑)」をうすーく伸ばしたものです。
あわび
昔は生食より乾燥させたり塩漬・塩辛にして食べることがほとんどで、伸ばして端からくるくる…とむいていき、乾かして保存しました。
当時から貴重品で、貴人に献上したり、神事のお供え、出陣の儀式の食べ物などに使われました。
転じて、お祝いごと(慶事)や贈り物に添えられるようになりました。
お祝いごと用か、お祝いごとでない(不祝儀用)かは、
この「熨斗」の有無で区別します。
あわびがあるものが祝儀、
あわびがないものが、不祝儀です。
「お彼岸ののし紙」の呼び名は?
お彼岸は故人を偲ぶものです。
祝い事ではないので不祝儀。
よって「のし」は付けません。
弔事に殺生は禁物~あわびは生き物なので。
なので、
厳密には「のし紙」「のし袋」と呼びません。
「のし紙」と言ってしまっても通じますし、最近はそのほうが話が早いこともありますが。
不祝儀用の、包み紙の正式名称は、のし紙ではなく「掛け紙」。
お金を包む封筒=袋の場合は、のし袋ではなく「不祝儀袋」と呼びます。
お彼岸で用いるのは、かけ紙・不祝儀袋が正解です。
日本人はモノを贈ったり手渡す時、「包む」ことで送り手の想いを伝えてきました。
一説には、包む(ツツム)は、筒=ツツから来た言葉なのだとか。
慎(ツツシ)むもそうで「モノや欲」をツツムことで、
受け手に余計な配慮をさせないのが包む行為なのだと。
こころを包むとは、奥ゆかしいですね。
法事用ののし(掛け紙)がないとき
掛け紙が用意できない!
または、1枚だけ欲しいのに、バラで売っていないという時は、Web上にPDFでテンプレートが無料配布されています。
「のし紙」、「掛け紙」で検索すると以下のように、配布見本が見つかります。
お持ちのプリンターやコンビニで印刷できます。
また、掛け紙が用意できない場合、のしなしで持参する場合は、黒のリボンで代用することも出来ます。
弔事用かけ紙(熨斗紙)の包み方
紙を下にしてお供え物を伏せる形でのせてかけます。
側面か底面でテープで止める。
底で紙が重なる場合は、底から見て左を上に(慶事は逆に右が上)します。
側面でかけることも可能です。
紙を前面の1面に「のせるだけ」は、マナー違反です。
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2. 水引のかたちと色
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こちらは不祝儀袋ですが、お供えの掛け紙に印刷された水引も同じです。
上段が「結び切り(結び留め)」
下段が「あわじ結び」です。
お供え(不祝儀)の水引の形は上の「結び切り」か「あわじ結び」です。
蝶結びは用いません。
結び切りは、気持ちを込めて、
固く結び解けない=二度と起きないことを願う意味があります。
結婚はめでたいが、何度も繰り返してほしくないという意味で使います。
弔事では、悲しい出来事が繰り返してほしくないという意味で用います。
あわじ結びも、両端を引くと固く結ばれる意味から同じく、2度と起きないことを願意します。
不祝儀袋の水引は、黒白・双銀・灰白・黄白などがあります。
お供えものに用いる水引は大半が印刷なので、黒の代わりに紫を使っていることもありますね。
西日本や北陸では、法事などで黃白を使うことも。
地域によって違うので確認が必要です。
キリスト教の場合、葬儀の際には、
十字架やマリア像、百合の絵柄が入ったものか、通常の不祝儀袋を使います。
水引付きのものを使っても失礼には当たらないそうです。
ただし「蓮の花」の絵柄の型押しや印刷が入ったもの(仏式)は使えません。
水引の本数
水引の本数は3、5、7、10が基本で、数が多いほど立派になります。
お彼岸のお供えの場合、3、5本が一般的です。
水引の本数は、慶事は奇数、弔事が偶数とする習わしがあります。
ですが、流通しているプリントされた掛け紙は弔事でも3本、5本が多いです。
印刷ではない水引の「より糸」が解ける場合は、1本抜いて偶数本にします。
3. 表書きと名入れ(お彼岸)
上段の表書きに「御供」、「御仏前」、「御佛前」と書きます。
四十九日の忌明け前は、「御霊前」と書きます。
供物(お金以外)の表書き
仏式 「御仏前」、「御供物料」、「御供」
神式 「御玉串料」、「御神饌料」
キリスト教 生花のみ
- 薄墨の毛筆で書くことがマナーです。
不祝儀、お彼岸のお供えの紙には薄い黒で書くようにします。
涙で黒が薄くにじむ様子からきています。
薄墨の筆ペン、片方が通常の筆ペン、片側が薄墨になったツインタイプも売っています。
大きめなコンビニなら、不祝儀袋のコーナーに売っていることも。 - ボールペン、万年筆、フェルトペンはマナー違反です。
- 薄墨がないときは、通常の筆ペンの墨を薄めて使うこともできます。
パレットや小皿に数滴、ほんの少~しだけ水をたらして
そこにペン先を浸して、1回分の「薄墨を作ります」。
筆に直接水を含ませると、ほぼ水で文字がまったく書けなかったり、途中で濃い色に戻ってしまい失敗した経験から…。
お子さんの習字セットが手元にある場合は(小筆も太いですよね)、墨汁で薄墨を作って、筆ペンに浸して書けますね。 - 下段の名前はフルネームを書きます。
- 上段の文字の大きさより一回り、小さく書きます。
また、最後に余白が一文字分あると良いです。 - 連名の場合は、目上順に天地(上下)を揃えて書きます。
- 肩書を入れる場合は、小さく名前の右上に。
- 名刺を付ける場合は、左下隅に。
- 先方の宛名を書く場合は、左上に。
- 紙質やデザイン上、書きづらい場合は縦長の短冊に書き中央に挟みます。
お彼岸にお供えするのはお菓子?それとも?
お供え物を何にするか?
この3種が一般的です。お店でもお供え物用として並んでいます。
故人が好きだったものや
線香、抹香、ろうそく、干菓子、最中、ゼリー、酒類なども聞きますよね。
お彼岸のお墓参りのお供え物といえば、
以前は、春に「牡丹餅(ぼたもち)」秋に「御萩(おはぎ)」が定番中の定番でした。
漢字のごとく、牡丹の花と萩の花にちなみ、小豆を用いたお菓子です。
神様仏様に供物(くもつ)を捧げた後、自分たちも食べて頂いてパワーをもらうという習わしです。
お彼岸のお供えにと、アイデアが浮かばなかった時は第一候補として考えてみてはいかがでしょうか。
お線香などをあげに伺って、供物をお渡しする際は、
選ぶ条件として、
・日持ちのするもの
・相場が1000円から5000円の品
・先方の人数を考慮すること
以上の点をよく聞きます。
お金を用意するかしないか。
一般的に、お彼岸のお供えでは品物のみです。
直近で亡くなられた方がおられるのなら、お金を持参する場合もありますが。
また、地域や社会でそういった風習があれば別ですが、お彼岸はお墓参りが主です。
仏前やお墓へのお供えで十分かと思います。
お彼岸のお供えは、葬式、法要やお布施と違うものです。
お金とお供え、又はお金かお供えで5000円以内といった説が
ネット上でまことしやかに流布されていますが、出処がわからない怪しいものです。
住む場所・属する社会によって大きく変わります。
故人を懐かしみ祈りを捧げる気持ちを一番に、それが何より大切なことです。
たまに、親族の仏前に線香の一つでもと連絡を頂きます。
それだけで嬉しいものです。
気持ちがこもっていればいいのです。
そして、仏前にあるお供え物が私の好物だったら余計に素晴らしい。
後でありがたく頂きます。
以上、お彼岸のお供えに関する決まりごとの紹介でした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました
