神棚に祀ってある「御神札(お札)」
新しいお札を初詣にもらって帰り、
古いお札と交換する。
この行動は間違っている?
新年にも古いお札が飾ってあることになるけれど、問題ないの?
いつ交換するのが適切なのか。
新年か年末なのか。
そもそも、毎年交換するものなのか。
しないのか。
御神札(お札)とは何か。
3種類ある?
こういったことを説明しています。
一緒にみていきましょう。
神棚の新しいお札はいつ交換する?
年の暮れに大掃除をして新年を迎える準備をします。
神棚もその時期と同じくして、掃除をします。
新年が始まる前、キレイにした神棚に
新しいお札をお祀(まつ)りするのが理想とされます。
つまり、年末に掃除をしてから新しい御札と交換する。
その際、今まであった御札は年明けに所定の場所に、
納めに(お返し)行くのが良いとされています。
新しい御神札は、すでに年末には配られています。
一般的には12月1日頃からです。
・掃除
・新しいお神札(ふだ)をお受けする
・お祀(まつ)りする (交換する)
年始
・所定の場所(古札納所・納札箱)にお返し
・又は、大晦日から15日の間の左義長、どんど焼きで
古いお札やお守り、正月飾りなどのをお焚き上げする。
御札の交換を避けたい日
12月29日 ×
【九日飾り】と言って、[九=苦]に通じるとして、
忌避(きひ・きらってさける)する日です。
12月31日 ×
【一夜飾り】と言って、忙しく一夜で用意するのは、
神さまに失礼である。
また、不幸の時のように慌ただしく準備することになるため、避ける日などといわれます。
12月30日 △
旧暦の大晦日です。
旧暦上では31日と同じ「一夜飾り」に当たります。
絶対ダメ!というほどこだわらなくてよいと思いますが、
事前に交換できる日があるなら、
あえてこの日を選んで飾る必要はありません。
29日と31日に交換するよりは良いかな~という日です。
新しい年の歳神様が住まいに訪れて来られるのは、
31日の早朝だと決まっています。
その時にまで、松飾りなどでお迎えしないと留守だと思われ、
帰ってしまわれるのです。
結論
いつ交換するのか?
厳密にいうならば、
【12月中(29日~31日意外)が交換する正しい時期】
12月28日までに交換するのがベスト。
毎年、12月1日頃より新しいお札が準備出来ています。
とはいっても、
初詣でお札を授かる方も多いと思います。
新年にならないと、お札そのものがないというケース。
お札が年内に準備ができない場合についても考えてみます。
忙しくてお札が年内に準備できない場合
新しい御神札
①年末に新しいお札を準備して頂いておく。
②年明けの初詣の日に新しくお札を頂いてくる。
古くなった御神札
(1)1月15日の小正月にお正月飾りと一緒に神社へ持っていく。
(2)新しいお札を頂くと同時に所定の場所(納札箱)にお返しする。
①-(1)が理想ですが、
忙しいとどうしても、
②-(2)の、初詣に日に新しいお札をもらい古いお札をお返しする。
こう、なっちゃいますよね。
交換時期は守れなくとも、神棚への感謝。
年内に交換できないときは、
せめて、年末の掃除だけもして、お札に感謝の気持ちを伝えましょう。
神棚のお札の処分の仕方
処分とは、失礼な言い回しでした。
ごめんなさい。
古くなった御神札(お札)のお返しの仕方についてです。
お返しすることを「返納(へんのう)」するとも言いますね。
お札はどこに返納する?
御札の返納先はどこか。
理想は、そのお札を頂いた場所・神社へのお返しです。
ただ、それが難しい場合は別の神社にお返しすることも可能です。
「返納所」「納所」「古札納所」「納札箱」など、名前は様々ですが
ほとんどの神社で、別の神社で授かったお守りも返納を受け付けてもらえます。
ただし、受け付けてもらえる範囲が異なりますので注意。
例えば、伊勢神宮の外宮・内宮にある「古札納所」。
お札やお守りはOKですが、注連縄や置物などは受け付けていません。
東京の西新井大師の場合は「納所」。
木札やお守りのほか、だるま・熊手・お正月飾りも納めることが可能です(毎日16時半まで)。
どの神社でも返納する際は、
必ず お参りを済ませてからにしましょう。
お札の返納は無料か有料か
お札やお守りの供養料(お札を返納する時の料金)もまた、
神社によって異なります。
無料で受け付けてくれる神社もあれば、
お気持ちでお願いしますという場合、
お札ひとつにつき幾ら、等と金額が明記されている場合など、さまざまのようです。
お焚き上げで処分
古くなった御神札(お札)をお返しする手段に、
「お焚き上げ」があります。
お焚き上げとは『左義長(さぎちょう)』のことですね。
「どんど焼き、さいと焼き、オンベ焼き」とも呼びます。
毎年1月14日~15日(16日)
正月に催(もよお)す火祭りの行事です。
14日の夜や15日の朝に、長い竹などを立てて、
正月飾りや七五三縄(しめなわ)飾り、門松、書き初めなど、
持ち寄って焼く行事です。
炎の力で浄化して天に返す儀式で、
その火で焼いたお餅を食べると、その年の無病息災が得られると
されてきました。
この小正月の火祭行事~お焚き上げに神棚のお札をお返しするのが
良いとされています。
神棚の御神札(お札)を頂いた神社、またはお住いの近くにある神社。
これら神社にて探してみるといいですね。
郵送して代理でお焚き上げをしてくれるサービスもありますよ。
郵送でも返納はできます
直接、自分で郵送する方法とサービスを利用する方法を紹介します。
【自分でする方法】
先に神社に「問い合わせ」るか、
神社のホームページにて確認をお願いします。
意外とたくさんの神社が郵送での「返納」を可としてくれています。
〈送り方〉
・宛先は◯◯神社御中
・古いお札は、半紙や白い紙で包む
・短冊でもよいので礼状を書く
・奉納のお気持ちとして、現金(書留)を用意
お焚き上げを希望と書いて現金(書留)を送るとよいでしょう。
御札(お札)の半分程度の金額が目安です。
御札は、500円から3千円のものが多いです。
紙幣1枚(千円札1枚)なら、間違いないでしょう。
【ネットのお札返納サービスを利用する方法】
断捨離や片付けの時、大事な品や思い出の品を代わって、
「お焚き上げ」してくれるサービスもあります。
平安の頃より、群馬県にある「山名八幡宮」という由緒正しき神社。
そこにお願いして「モノ供養」をしてくれるのが、
「みんなのお焚き上げ」というサービスです。
NHKや読売新聞など、メディアにも紹介されご存知の方も多いでしょう。
同じ捨てる行為でも、感謝や想いを込めて天に還(かえ)すのですね。
やり方は簡単。
レターサイズやボックスサイズに入れて送るだけです。
直接サイトからお願いするほか、アマゾンでも専用キットを購入できます。
届いたキットにお焚き上げしてほしいものを入れ、お焚き上げのシールを貼って送ります。
みんなのお焚き上げ (レターS)
神社への郵便代込み
~由緒ある神社でモノに感謝してきちんと手放す~
たとえばSサイズなら、
郵便局のスマートレターがセットになっていて、
「25×17×マチ2センチ」の封筒に、1キロまでのものが送れます。
目安として、L版の写真200枚程度とありました。
送料とお焚き上げの代金(供養料)あわせて、1650円です(Sサイズの場合。2022年12月時点)
小さめの紙のお札と家族のお守り数個なら、Sサイズにおさまりそうです。
(イメージとしては、A4の半分のサイズくらいで、厚み2センチ以内)
それよりも大きなものなら、レターパックやボックスタイプもあります。
長さのあるお札や破魔矢の場合は「61×10×厚み6.5センチ」の範囲で送れる
大型の封筒(レター)がよさそうです(同:3200円)。
冬は人混みへの外出は避けたいけれど
例年と同じように、決まった日取りまでに
お札を納めないと気分がすっきりしない…という方にはピッタリかと思います。
神棚のお札は毎年交換するものなの?
実は、御札を毎年交換するという決まりはありません。
新年、気持ちを新たにして交換するのも良ければ、
ずっと代々、同じ御札を大事にするのも良いのです。
古い神道の指導書には、
「御札は毎年交換する家が多いが、代々大切にしている家もある。
どちらも正しい」とあります。
お札とは?3種類ある?
神棚の「御神札(おふだ)」、「神札(おふだ)」
守札、神符とも呼びます。
「御神札」は神さまの神璽(みしるし)です。
神璽とは三種の神器であり、
お札は、その大切なものの代わりとなるものなのです。
神棚に祀るお札には、3種類あります。
『神宮大麻』『崇敬神社』『氏神様』の御神札です。
『氏神様』
家庭の氏神(うじがみ)様は、近しい地域鎮守の神さまのことです。
自分の生活圏にある神社の神さまですね。
血縁の「氏神」様、地縁の「産土(うぶすな)神社」がある場合は別。
『崇敬神社』
自分や家族が敬(うやま)い崇(あが)める神さまのことです。
『神宮大麻』
伊勢神宮の最も尊い神さまのみしるしです。
札所のある全国の神社で受け取ることができます。
どちらをお祀りすればよいのか。
まず、総氏神さまの大神璽(おおみしるし)である
「神宮大麻」を優先しましょう。
「大麻」は、「おおぬさ」、「たいま」と読みます。
神々への捧げもの、お祓いの際の木綿(ゆう)や麻(あさ)のことです。
お祓いをして頂く御神札を「大麻」と呼ぶことになりました。
「神宮大麻」は、罪を祓い除けする神具(しんぐ)である
大麻(おおぬさ)の頒布です。
頒布(はんぷ)とは、広く配ることの意味です。
伊勢神宮から全国へと分け合う、頒かつ(わかつ・あかつ)のです。
また、神が宿った御神体、分霊(わけみたま)とも解釈できます。
「神宮大麻」を神社で頂くのは、
分かち合うのですから、売り買いするのではなく、
「初穂料」と呼んだり奉納するといいます。
まとめ
神棚の御神札(おふだ)は年末の内に交換するのが理想です。
12月29日 九日飾りのためNG
12月30日 旧暦大晦日=こだわるなら避けると良い
12月31日 大晦日=一夜飾りのためNG
12月に入ってから、
12月の28日までに交換するのが良いでしょう。
また、古くなった御札を処分したい場合は小正月に。
難しいのであれば、年始にお返しするのが理想です。
自分で郵送するか「みんなのお焚き上げ」といった、
サービスを使うことも出来ます。
御神札(お札)を毎年、交換しない選択もあります。
毎年の交換は、義務ではありません。
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