向田邦子さんのドロドロした女正月の話ではなく。
行事としての女正月のお話です。
女性をこき使う風習のなごりだろと言われると・・・。
ごめんなさい。
1月15日の風習・風俗の紹介です。
女正月って何するの?
女正月とは?
主に1月15日を女正月とし、正月行事の終了日として、女性達が休息をとる日とされます。
女(め)正月とも、女(おんな)正月とも読む。
お節料理を作り、年始の行事や接待などの疲れをとって下さいとする日です。
呼び方も様々で、地域によって過ごし方が違います。
「女の年取り」と呼び、夕飯を男衆がつくる(長野県安曇地方)、「女子(おなご)正月」として1月16日から半月が女性の休日にあてがわれる(秋田県鹿角群)、女性が寺や親戚を年始の挨拶にまわる「女の年始」(新潟県朝日村)や男子禁制の「女の酒盛り」をしたりと、1月15日前後に類似の風習を指して呼びます。
女正月は京風の習わしとして認知されていました。
町家でもキッチン「おくどさん」の仕切りがあり、女性専有の場所として家庭内(私的)の社会と男の対外的(公的)社会の区分けがはっきりと、文化としてあったからかもしれません。
西日本や一部の地域では、「骨正月」とも呼ぶ地域があります。
ブリや鯛のあらを煮込んで最後に残ったご馳走として食すことから由来します。
また、女の骨休みの意味も。
なぜに1月15日が小正月か?
女正月とされる1月15日。
これは、お月さんと密接に関わります。
昔は、新年最初の満月の日をお正月として祝いました。
今、使っている暦と違ったのです。
新暦を導入して、1月1日がお正月と定められました。
以前の満月の日のお正月の風習も捨てがたく、「小正月」として残りました。
1月1日の大正月として、一般の正月と定着すると、小正月は今まで行っていたが大正月に含まれなくなった行事がたくさん、詰め込まれる日となったのです。
「みずき団子(餅花)」、正月飾りを燃やして邪気払いをする「どんと焼き」の行事なのです。
また、豊作占いや鬼追いといった行事も15日にシフトしました。
その中に、お嫁さんの里帰りや女性たちを労う「女正月」も含まれたのです。
女正月一升あけて泣きにけり 高村遊子
松の内までは、忙しい女性が着飾って芝居見世物へ行くたぐいのことですら、明治の頃の男性は外に出してやるという感覚があったのだとか。
夏目漱石の「吾輩は猫である」からの一節、
「細君が御歳暮の代りに摂津大掾を聞かしてくれろというから、連れて行ってやらん事もないが・・・」偉そうな事をと驚きますが、そういう時代だったのでしょう。
現在は、形を変え「女正月」は女子会旅行やセール時のキャッチ・フレーズに使われることが増えてきているそう。
地方によっては、まだ女正月を祝っていると地域があると聞きます。
中国地方に里帰りする女性が、「あるよ!毎日が女正月みたいなものだけどね ガハハ」と言ってました。
結構なことです。
女正月のまとめ
いまは、俳句の季語かチラシ広告に踊る文字として残る女正月。
なまくらな私は、AI時代が早く到来して人類全てが毎日、正月でも良いと夢想するのですが。
働き者のご先祖さま達、女性達が一息つける日だったのでしょう。
あぁ、正月はまだか~。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。