多くの漫画家さんたちをも魅了し、美しいストーリーを紡がせるフィギュアスケート。
フィギュアスケートを題材にしたマンガを2回に分けて、まとめて紹介します。
昭和40年代から平成・令和まで、
あんな人もこんな人もフィギュアスケートを題材に選んでいました。
バレエ、ゴルフ、乗馬と並び、金持ちスポーツとも言われるフィギュアスケート。
才能を開花させ、活躍できる人は一握りなのは
どんなプロスポーツも同じですが、
設備や環境が揃わないと、練習を継続させることさえ難しいのが氷上の競技。
華やかさ・優雅さとは裏腹に、厳しく孤独なスポーツでもあります。
古いものから新しいものまで、順不同ですが網羅しました。
フィギュアスケート漫画は多く刊行されているので、
「フィギュアスケート漫画2」と、2記事に分けました。
美しい表紙だけでもチェックしてやって下さいませ。
※扉絵に、イラストレーターのEarlさんのフィギュアスケートのイラストを使わせていただきました。Earlさん、ありがとうございます
フィギュアスケートを題材にした漫画・その1
メダリスト
幼少時からスケートをしてきたサラブレッド組ではなかったこと、
クラブに所属することができなかった経済的理由。
大半の人間の現実はこんなもの…と、大好きだったアイスダンスの夢を諦めた司。
家にも学校にも居場所を見いだせず、
日々こっそりリンクに潜り込み、アイススケートにのめりこむ小学生いのり。
司はいのりに自分の夢を重ね、
いのりは司を世界一のコーチにしたいと誓う。
氷の上で出会った二人がオリンピックを目指す、温かく力強い物語。
面白いです。
ライバルとなる子供たちにもまた、それぞれに抱える想いがあり、どの子のことも応援したくなってしまいます。
シュールなギャグ漫画『鳴きヤミ』でi
「n COMITIA123 優秀賞」を受賞した、つるまいかださんのデビュー作。
【終了】
フィギュアスケートの盛り上がりにあわせてか、
kindle読み放題などに加入していなくても、Amazonで1巻が無料で読めてしまいます。
アフタヌーンコミックス 2020-2021現在連載中
男子校フィギュアスケート『銀盤男子-フィギュメン-』
銀盤男子-フィギュメン-(全2巻・完結) 著者:衣丘わこ
イケメン男子高生+フィギュア+コミカル+ヒューマンドラマ。
陰キャの西国原宗太は、アイススケートへの夢をあきらめきれず、全寮制のスケート名門男子校に入学します。
けれど、入部したフィギュアスケート部は周囲から距離を置かれぎみの「変人クラブ」。
オネエにゲイに電波系…
チームメイトもコーチもマネージャーもすべてイケメン、すべて変人。
コミカル展開ながら、心にグッと刺さるセリフが多々。
作品名:銀盤男子-フィギュメン-(全2巻・完結)著者:衣丘わこ
KADOKAWA B’s-LOG COMICS
初版:2014年2月1日
銀盤騎士
銀盤騎士(全11巻) 著者:小川彌生
男子フィギュアが題材。
トップフィギュアスケーターの心と、
出版社勤務の千登勢は、幼いころからの親友。
心の本当の姿は、銀盤上の華麗で妖艶な姿とは裏腹に、
アニオタでなまっていて、ヘタレ。
千登勢が、アニメの呪文をつぶやいて
元気づけることで、超人的な能力と魅力を発揮する特異体質の男なのです。
千登勢は心が好き、心も千登勢が好き。
世間に知られてはならない秘密を共有しながら
ふたりの距離は縮まったり広がったり。
全体のトーンはラブコメタッチですが
スケーターとして、1人の男性として悩み成長していく心と、
それを見守り支え続ける千登勢の愛の物語。
小川彌生 講談社 2013-08-02 『Kiss』2012~2017 全11巻
モーメント 永遠の一瞬
モーメント 永遠の一瞬 (16巻・連載中) 著者:槇村 さとる
舞台はソチ・オリンピックから。
4歳で初めて氷の上に立ち、小学生からフィギュアスケーターを志す雪。
スケートのシーンは繊細で美しく、
周辺で巻き起こるドロドロした確執の描写もリアルです。
果敢にトリプルアクセルに挑み、失敗したときに湧き上がった観客の応援の大歓声のシーンには、北京五輪の羽生結弦選手の姿が重なりました。
立ち向かい、挑む人はいつも美しく輝いてみえます。
『愛のアランフェス』『白のファルーカ』と、フィギュアスケート漫画を描き続けてきた槇村さとるさんの作品。
『モーメント』は、初期のアイススケート作品とはテイストが違うから過去の作品のほうが好き、という方もいらっしゃるようです。
槇村さとるさんは『イマジン』『おいしい関係』『Real Clothes』などの作品でも有名ですね。
『Cocohana(ココハナ)』〈連載中〉
愛のアランフェス
愛のアランフェス 槇村さとる
こちらは、槇村さとるさんの初期の作品。
トップフィギュアスケーターだった父親と華麗な一族出身の母、
ひたむきにフィギュアスケートに向き合う孤高のイケメン。
日本から、ロンドン、スペインへと舞台は移り変わり
重なる不幸や挫折をばねに…と、令和的には「現実味薄~い昭和的展開」かもしれませんが、
ファルーカは、元々、スペイン起源のフラメンコ曲のジャンルのこと。
フラメンコのように情熱的で、
かつ、どこかもの哀しさの漂う展開は今読んでも十分楽しめます。
文庫版だと表紙の雰囲気がイマっぽく変わりますよ。
『別冊マーガレット』1978~1980
全7巻(文庫版・全4巻) 集英社 2014-06-25
白のファルーカ
白のファルーカ 槇村さとる
こちらも槇村さとるさんの作品。
ペアで滑る、アイスダンスがテーマです。
勝気な樹里と恵が衝突を繰り返しながら、
相手を想い、庇い、高めあうことができる一流のペアアイスダンサーに成長していくストーリーです。
『愛のアランフェス』で友人として登場していた人物がコーチ役で登場したり、ファンには嬉しいサービスも。
槇村さとる 集英社 2014-04-25『別冊マーガレット』1987~1989 全8巻(文庫版全4巻)
キス&ネバークライ
キス&ネバークライ 小川彌生
アイスダンス×恋愛×サスペンス×犯罪モノ。
亡き父と同じ、プロのアイススケーターの道を志すみちるは、ある日「何か」を目撃してしまいます。
その後、コーチが殺害されるというショッキングな事件が起こり…
母、義父、アメリカに住むペア役の少年、
殺害されたコーチの弟などが登場し、
封印されていた、みちるの記憶のふたが少しずつ開きはじめるという、大人向けの物語。
捨て猫ならぬ、捨て男子を拾って飼うキャリアウーマンの物語(きみはペット)も斬新な展開でしたが、こちらも、アイスダンス+サスペンス要素という異色の作品です。
小川彌生 講談社 2012-10-17 『Kiss』2008~2011 全11巻
アイスフォレスト
ホテルチェーンの専務をつとめる一己は
開発のために訪れた北海道で
元フィギュアスケーターの雪野に出会います。
元スケーターだった一己は、すぐ雪野の能力を見抜き、
東京に呼び寄せて、ロマンとペアを組ませ
アイスダンサーとして育てようとするのですが…
さいとうちほさんは
「少女革命ウテナ」や「とりかえ・ばや」の作者さん。
さいとうちほ 小学館 2012-09-25
タイトル
Amazonギフト券・ボックスタイプ
有効期限10年
ボックス付属なので
買っておくと便利です
アイスノオト
孤独な少女・さつきが
スケート場で出会った青年は、世界ジュニアの優勝者。
和也の美しい滑りと
その優しさに一念発起したさつきは和也と同じスケート強豪校に入学。
けれど、周囲から「田舎の野良スケーター」と辛めの洗礼を受け…
華やかに頂点を目指すサクセスストーリーではなく、
等身大のさつきに、素直に感情移入できる作品です。
連載では打ち切りになったようですが、特別編で完結しています。
作者は「綾。ホステス、18歳。」のみづき水脈さん。
『ザ デザート』2012,3~2013,5 全2巻+特別編
みづき 水脈 講談社 2012-08-10
アイレボ -Ice Revolution-
アイレボ -Ice Revolution- 原作・堤亜弥、作画・竹村洋平
真崎は、空手を習う男勝りな女子中学生。
車にはねられそうになったのを助けてくれた少年に心魅かれ、
少年と同じスケートの世界に足を踏み入れるのでした。
心に傷を負って立ち直れずにいた少年カオルと
アイススケートに魅了されていく真崎…
月間ジャンプSQ(スクエア)で連載していたのが、
ストーリーの途中で打ち切りになってしまった作品のようです。
雑誌で描き切れなかった結末は、最終巻(3巻)で楽しめます。
原作・堤亜弥、作画・竹村洋平
堤 亜弥 集英社 2009-03-04 『ジャンプスクエア』2008 全3巻
キス☆クラ
『週刊少年マガジン』2007 全2巻
フィギュアスケートを舞台にした恋愛少年マンガ~瀬上あきら作
瀬上あきら 講談社 2014-10-10
銀色のフラッシュ
『週刊少女コミック』1976・2014 全8巻(再編集版)
昭和のフィギュアスケート漫画といえば、これ。
古典的名作です。
高校生理沙は、幼少からスケートが大好きな少女。
華やかな圭一、どこか陰のある鈴子らとスケートに励み、
その才能から、どんどん頭角を現していきます。
ところが、鈴子の母と理沙の両親には、切っても切れない因縁があったのでした。
理沙一家を恨む鈴子の母と、そんな母の思いに振り回される鈴子。
栄光と転落、極端な貧富の差。親同士が恋仇。
ザ・昭和の王道少女漫画です。
作家のひだのぶこさんは、同じく漫画家の池沢さとしさん。
池沢さんの代表作「サーキットの狼」も合わせて表紙をご紹介。
こちらも、スーパーカーや
レース漫画ブームを巻き起こした懐かしの古典的名作。
ひだのぶこ フェアベル 2014-04-09
氷上の恋人たち
『週刊少女コミック』1976~1977・2014復刊 全3巻
こちらも、ひだのぶこさんの作品で、70年代に大流行した漫画。
友人が恋する相手とペアになる気まずさに悩んだり
サブキャラと思った不良が実は天才スケーターだったり。
昭和40年代ならではの、夢見る乙女テイストと
レトロ感のある絵柄は、好みが分かれそうですが、往年のファンにはたまらないのでは。
復刻版が販売されていたようですが、もう取り扱いがほとんどないようで残念。
キンドルで3冊まとめて購入することができます。
ひだのぶこ フェアベル 2014-04-09
銀色のトレース
1980・2017復刊 1巻完結
スケート界のエースの千夜子は、
ケガや母の死のショックでスケートを諦めて
すっかり自暴自棄になっていた有理を
自分のペアと組ませて特訓を始める。
何度も読みたくなる、素敵なお話。
キンドル読み放題に加入なら、今は無料で読めます。
柴田あや子さんの作品
柴田 あや子 Beaglee 2017-04-28
銀になる
2006 1巻完結
空になる/夏草子〈同時収録〉
おかざき真里さんは、『サプリ』『渋谷区円山町』、『阿・吽』の作者。
スケート靴の先がちゃんと、ギザギザになってエッジが描かれている!
この方は経験者さんです。
おかざき真里 集英社 2014-04-25
金のプリズム
1996・2015 全2巻
『翼のはんぶん』同時収録
藤田和子先生による高校生ペアの恋愛もの
藤田和子 小学館 2015-03-09
銀の鳥の伝説
1986・2017
実は少年マンガだったりするフィギュアスケートのペアを題材にした恋愛物語。
三浦実子さんの作品
三浦 実子 Beaglee 2017-07-28
銀盤カレイドスコープ
『マーガレット』2005 全2巻
海原零さんのライトノベルが原作。
アニメ、マンガ、ゲーム、小説、ラジオ等に展開したフィギュアスケートでは珍しいメディアミックス作品。
マンガは、長谷川潤さん。
銀盤カレイドスコープ vol.1 ショート・プログラム:Road to dream (集英社スーパーダッシュ文庫)[Kindle版]
海原零 集英社 2013-08-15
クリスタル前奏曲
『りぼん』1997別冊付録 全1巻
同時収録として、ホワイト・シンフォニー~/片想い同盟
アイスダンスでソルトレイクシティを目指す恋愛もの~森本里菜作品
森本里菜 集英社 2016-09-01
くるりんぱっ!
『ちゃお』2006
冬季トリノ五輪中に連載があった為か当時、ヒットした漫画で続編も作られた。
今井康絵さんの作品
今井康絵 小学館 2015-07-10
シュガープリンセス
『花とゆめ』2005~2007 全2巻
中条比紗也さんの「花ざかりの君たちへ」の次作が、シュガープリンセス
中条比紗也 白泉社 2016-04-29
フィギュアスケート漫画のまとめ
1970年から80年代は、フィギュアスケートを題材にした少女漫画が数多く生まれた黄金期でした。
古くても名作と呼ばれる作品がたくさんあります。
残念ながら復刊や新装版がないものは、紹介できませんでしたが。
日本人選手が活躍できなかった頃から多くマンガ化されています。
フィギュアスケートは、題材として作家さん達を惹きつける何かがあるんでしょうね。
まだ、たくさんあるのでその1、その2に分けて紹介します。
パート2も、ぜひご覧ください。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。