テレビで定期的にやるネタ。
干支。
干支の世界では、少し違いますよという話。
猪と書いてブタさんだとか、ある地域では猫が入っている等々。
嘘のようなホントの話。
ちなみに、北京五輪の
マスコットキャラクターもパンダですね。
「ビンドゥンドゥン」のデザインやモチーフは、
サンザシの実を甘く煮付けて、
氷砂糖でコーティングした中国のお菓子が原案になっているとか。
(日本でいうりんご飴のようなもの)
自国の砂糖菓子をモチーフにしつつ
宇宙服のようにもなっていて、かわいらしいですよね。
冰墩墩(ビンドゥンドゥン)
中国語はわからないのですが…
冰の意味は氷やヒョウ、
墩墩は、ぽっちゃりとか、恰幅がいいというニュアンスのようです。
胖墩墩=ピンドゥンドゥン(=小柄でぽっちゃり)という単語に引っ掛けているのかもしれませんね。
ビンドゥンドゥンの製造ライン#冰墩墩 pic.twitter.com/0KmI1g6OPS
— ltt@wh (@sana15121) February 8, 2022
雪容融(シュエロンロン)は
中国の女子学生のデザイン。。
学生の故郷の黒竜江省で春節(旧正月)に街のあちこちに飾られる赤い灯篭を模しているのだそう。
さて、本題に入りましょう。
中国の干支にパンダが!?
友達が得意気に開陳してきた雑学ネタ。
中国の干支の話です。
中国の十二支にかつて「パンダ」が入っていたという話。
遠い昔に友人から話を聞いて、
随分昔に、ネットで調べた時には否定されていた話。
私も嘘だろう、ネタだと思っていました。
けれど、久々に懐かしい話を聞いたのをキッカケに本で確認したら
「あった!」
どうやら、本当らしい。
「干支の動物誌」
阿部禎氏の著作によると、
中国では、「辰」に代わりパンダが干支だった時期があったのだとか。
1972年の文化大革命時代、
中国の社会主義運動なる思想活動の影響で行ったのでしょう。
破壊活動の様子を、古いドキュメンタリー映像で見たことがあります。
伝統的な文化や風習を、破壊せよ!という風潮の高まるなか、
辰=ドラゴンは、架空の生き物で科学的でない!という理由でパンダに代えられたのです。
結局、すぐに元に戻ったようです。
そもそも、十二支が科学的か?とか
パンダって中国の動物か?
ツッコミを入れたくなりますがご愛嬌。
この熊猫(パンダ)像が、神戸の中華街の十二支像の中に鎮座しています。
正確には、13体目の像として。
発注の誤解から猪が熊猫になって届いたのだとか。
パンダをの漢字で書くと「熊猫」。
これも、ちょっとイメージ違いな当て字ですよね。
パンダが漢字だと「熊猫」となる理由は、後の章でまとめてあります。
なんで十二支は動物なのか?
紀元前の中国大陸、
戦国時代の頃から十二支に動物の名が付けられるようになりました。
これを、十二支獣といいます。
十二生肖(じゅうにせいしょう)または十二属相(じゅうにぞくしょう)とも。
干支の順番は神話から
干支の順番はなぜネズミからなのか?
玉皇大帝の神話にちなみます。
神様(道教における最高位の神・玉皇大帝)が、
神のもとに新年の挨拶に来た動物のうち「先着で12匹」に、
名を与え「今後、巡る年の動物の長」として天空に迎え入れる、とレースをさせたというお話。
動作が緩慢な牛は早くに出発し、
賢いネズミは牛の背に乗り。
猪突猛進なイノシシは、
一番にたどり着いたものの、そのまま走り去ります。
俊足の虎が3番目になった理由は不明ですが
暴れ者の獅子(ライオン)を
干支に入れないために追い払うよう大帝に頼まれたという説があります。
用事をしていて遅れたのかもしれませんね。
ウサギが到着した後、
竜を尊敬する蛇は順を譲り、
蛇が苦手な馬は蛇の後ろに並び、羊が続きます。
犬と猿は道中で喧嘩をはじめ、
鳥が仲裁して間に入るかたちで3匹一緒に到着します。
そこに、戻ってきたイノシシが加わり、
ネズミに誤った時間を教えられて
13番目の到着となった猫は、選にもれました。
こうして干支の順番が決まりました。
子(ネ) ― 鼠(ねずみ)
丑(ウシ) ― 牛(うし)
寅(トラ) ― 虎(とら)
卯(ウ) ― 兎(うさぎ)
辰(タツ) ― 竜(りゅう)
巳(ミ) ― 蛇(へび)
午(ウマ) ― 馬(うま)
未(ヒツジ) ― 羊(ひつじ)
申(サル) ― 猿(さる)
酉(トリ) ― 鶏(にわとり)
戌(イヌ) ― 犬・狗(いぬ)
亥(イ) ― 猪(いのしし)・豚
この動物を当てる呼び方は、
この十二支くらいでしか使いません。
今も昔も、鼠ねずみが「子」、など
あてた漢字1文字が動物名として通じるのは十二支のみにおいてです。
十二支に、本来の動物とは違う漢字をあてた理由
なぜ、こんな呼び方をしたのか?
神話では「神様が与えた名」ともとれますが、
もっと実利的な理由があります。
それは、漢字を読める人が少なかったからです。
昔、カレンダー=暦(こよみ)を管理するのは、古今東西の権力者にとって権力の象徴であり源泉でもありました。
そのカレンダーを広く人に知らしめて流布させる為に、古代中国の王朝は、わかりやすく動物に置き換えて覚えやすくしたのです。
もともと十二支は、月日の順序を示す符号でした。
一年十二ヶ月を十二支の自然観察から陰陽の考えと結んで文字(符号)にしたものです。
例えば、「申」
旧暦の7月。申は呻(うめ)くから意味をとっています。
植物の果実が成熟して実る途中、固まっていく様子を語源にしています。
また、枝にたくさん実る柿を変化させて「申」と表します。
すると、亥(いのしし)生れの女性は気が荒いだとか、辰年生れの人は短気だといった伝えは後付だとわかりますね。
古代天文学の木星の運行をもとに年の十二支が作られ、自然観察や陰陽の思想と結びつけて月の十二支が作られと殷の時代には、すでにあったとされます。
悠久の時代より数千年間も、私たちは十二支を用いて暮らしているんですね。
パンダを漢字で書くと?
パンダは漢字で書くと「熊猫」。
ジャイアントパンダを漢字で書くと「大熊猫」。
また、レッサーパンダを漢字で書くと「子熊猫」。
「高知県立のいち動物公園」のレッサーパンダの写真を共有させていただきます。
2月16日にレッサーパンダ「マロン」が群馬サファリパークに引っ越しすることになりました。移動用のケージにもすぐに慣れ、順調に移動の準備を進めています。
当園でご覧いただけるのは2月15日までとなりますので忘れずに会いにきてくださいね❣️#のいち動物公園 #レッサーパンダ pic.twitter.com/KNNtiIXNRl— 高知県立のいち動物公園 (@noichizoo_staff) February 1, 2022
うーん…
ジャイアントパンダよりは「猫」に近い見た目ですが、
ジャイアントパンダとは似ても似つかないですね。
「大熊猫」「子熊猫」
どちらも当て字なら、随分と大雑把です。
では、学名で見てみましょう。
※学名:世界で統一して使う、生物学上の名前です
パンダ・ジャイアントパンダ・レッサーパンダ。そもそも「パンダ」とは?
レッサーパンダの学名は「Ailurus fulgens」
アイルルス=猫
フルゲンス=光り輝く
光り輝く猫。
登録されたのが1825年。
いっぽう、パンダの学名は「Ailuropoda melanoleuca」
アイルロポダ=猫の足(または、レッサーパンダそのもの?)
メラノレウカ=白黒の
猫の足を持つ白黒の生き物。
ジャイアントパンダが「動物」として正式に認定・登録されたのは、
レッサーパンダより45年も遅い1869年。
「パンダ=レッサーパンダ」を指す時代が
45年もあったということになります。
レッサーパンダ
パンダの名前は1825年に西洋人がヒマラヤで発見したレッサーパンダの名前を現地人に尋ねたところ、「竹を食べる者」と言う意味の「ネガリャポンヤ」だと答え、「ポンヤ」が「パンダ」に変わったとされる。
初めはレッサーパンダは単に「パンダ」と呼ばれていたが、後にジャイアントパンダが発見されて有名になると、単に「パンダ」といった場合はジャイアントパンダの方を指すようになってしまい、英語においては、従来のパンダの方に「小さい方の」という意味の英語「レッサー」(lesser)や毛色から赤「レッド」(red)を付けて、レッサーパンダまたはレッドパンダと呼ぶようになった。いわゆるレトロニムの例である。
「パンダ」の語源や由来も所説ありますが、
ネパール語からの誤解から生まれたこのエピソードが有名です。
山中で竹を食べるという共通の特性からか、
ジャイアントパンダは「パンダ(この場合、レッサーパンダ)が成長したもの」と認識されていた時期がありました。
中国の一部の地域では、いまだにそう誤認している人もいるとか。
そういったことから
ジャイアントパンダ
=大型の(レッサーパンダ)
=大熊猫、という漢字が当てられ
本来のパンダ
=レッサー(Lesser:劣る、より小さいの意)を付け加え
=漢字名にも「子」をつけて「子熊猫」と再命名しました。
ジャイアントパンダとレッサーパンダは、
現在は、生物学上まったく違う類の生き物とされています。
過去に同種と誤って分類されたことで、
レッサーパンダにつけられていた名前「パンダ」が
ジャイアントパンダの通称となってしまい、
その「パンダ」という言葉自体も聞き違いから生まれたものでした。
十二支とパンダの関連・パンダの語源 まとめ
十二支の「辰」が、
一時的にパンダに置き換わっていた時期が存在しました。
1970年代の中国・社会主義運動の影響を受けてのもの。
干支の動物に、本来の字と違う漢字が当てられているのは、漢字を読める人が少なかったから。
十二支は、月日の順序を示す符号でもあります。
ジャイアントパンダを漢字で書くと大熊猫、
レッサーパンダを漢字で書くと子熊猫。
元々は「パンダ」は「レッサーパンダ」に命名された名前。
レッサーパンダが成長すると
大型のパンダになるという誤認から名前がごっちゃになり、
ジャイアントパンダのほうが有名になって
やがて「パンダ」として定着。
ちょっとした、雑学ネタでした。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。