そもそも、なぜフィギュアスケートと呼ぶのだろうか。
読んで頂くと、その疑問が氷解すると思います。
フィギュアスケートの歴史や由来について書いてみました。
また、発表になった
北京オリンピックの開催日程も記しておきました。
参考にしてください。
なぜフィギュアスケートと呼ぶのか?
フィギュア・スケートは
いつ頃から始まったのか?
2万年ほど前は、北欧も北米も分厚い氷に覆われた氷河だったとか。
今もヨーロッパや北アメリカにまたがって連綿と続く氷の大地と、
そこで生まれた「氷を滑る」文化がアイススケートを生み、さまざまな競技に変化をしていきます。
そのひとつが、フィギュアスケート。
スケートの語源はオランダ語
17世紀頃のヨーロッパの中でも、
とりわけ、オランダでスケートの文化が発展したのは、領地に張り巡らせた運河の存在と言われています。
冬になると、氷結する運河の上で人々がアイススケートを楽しみました。
「Skate(スケートをする)」の英単語の語源は、オランダ語の「Schate」からだとされます。
木製のスケートを最初に作ったのも、オランダの人なのだとか。
ダッチロールを生んだのはオランダ貴族?
貴族や農民階級といった、
あらゆる階層の人達が娯楽としスケートをしましたが、楽しみ方やスタイルに違いが生まれたそうです。
農民階級はスケートで速さを競うことを好み、後のスピードスケートへと発展します。
対して、貴族階級の人達は、より優雅さや芸術性に重きを置きました。
両腕を前に組んで背筋を反らし、
片足の外側エッジで弧線を描き、
もう片方の足を後方に伸ばす滑走術
これが「ダッチロール」を生み出しました。
このオランダの貴族階級の滑走術が、
ヨーロッパ各地の貴族に伝わったのが、フィギュアスケートの起源です。
この「ダッチロール」滑走が1660年頃にイギリスに伝わり、
やがて世界最初のフィギュアスケート教本が発刊されました。
英国人ロバート・ジョーンズ(Robert Jones)が1772年に著した「スケーティング論(A Treatise on Skating)」がそれです。
優雅さ+正確さを求めたのはイギリス
当時の英国では、優雅さと併せて、
いかにして曲線や図形を描く(figure,フィギュア)かの、技術面が重視されました。
氷上に残る滑走跡(トレース)を、課題通りに滑って図形化すること。
「氷上滑走で図形を描く」という意味での
「フィギュアスケート=Figure Skate」という競技の誕生です。
イギリス・エディンバラで、世界初のスケートクラブが設立しています。
けれど、この、英国式のフィギュアスケートは、今のフィギュアスケートとは随分違います。
この図形滑走という競技は後に消えてしまうのですが、名前だけが残ったかたち。
ダンスやバレエ要素を取り込んだのがアメリカ
一方、イギリスの「フィギュアスケート」とは違うスタイルのスケートが、アメリカで考案されます。
1860年頃に、ジャクソン・ヘインズというアメリカ人が、
氷上での図形化に注力せずに
スケートにバレエやダンスの要素を取り入れました。
バレエのポーズや
ダンスのステップを取り入れることを考案したヘインズは、
ヨーロッパに渡り、ウィンナ・ワルツと出会い
音楽にあわせてスケートをすることも発案しました。
1868、1871年とヨーロッパで、
ベートーヴェンやモーツァルトの音楽で
ワルツやマーチのステップを披露し好評を博し
「コンチネンタルスタイル(国際スタイル)」と称されます。
前置きが長くなりましたが
ようやくたどり着きました。
この革新的なスケートが今のフリースケーティングの祖です。
そこから、ヘインズは「現代フィギュアスケートの父」と呼ばれています。
しかし、当時のイギリスやアメリカで流行したのは
なぜか、正確に図形を描く「イギリス式スケート」。
アメリカでは長らく広まらなかった「コンチネンタル(国際)スタイル」ですが、ヨーロッパで盛んになり、各地でスケートクラブが設立されました。
1882年にはウィーンで国際フィギュアスケート大会が開催されました。
ヘインズが設立した「ウィーン学校」の生徒たちが1892年に国際スケート連盟が創立。
初の国際的なスケート組織であり、現存する最古のスポーツ団体でもあります。
この時、コンパルソリーフィギュア(イギリススタイル)とフリースケーティング(国際スタイル)が競技規定に採用されます。
イギリスの主張によって、名前が「フィギュアスケーティング(Figure Skating)」となりました。
イギリス式フィギュアはやがて廃止に
「コンパルソリーフィギュア(イギリススタイル)」
~課題の図形を描き滑走の姿勢と滑走跡の正確さを競う種目は、1990年の廃止まで続きました。
1906年に女子シングルのフィギュアスケート大会がスイス・ダボスで初開催されました。
1908年にサンクトペテルブルクでペア競技も開かれます。
女子シングルとペアが
正式に種目として認定されたのが1924年の大会からで、
アイスダンスが正式種目となったのが1952年のことでした。
オリンピックでフィギュアスケートが開催されたのは1908年
オリンピックで最初にフィギュアスケートが開催されたのが1908年のロンドン大会からです。
男女シングルとペア、スペシャルフィギュアの4種目が採用されました。
冬季オリンピックにおいては、
第1回フランスのシャモニー・モンブラン大会より採用され現在に至ります。
オリンピックのフィギュアスケート競技種目は?
フィギュア競技のリンクは、長さ56-60m、幅26-30mと規定されています。
北京オリンピックでは、
144の出場枠が準備されています。
種目には
・男女個人のフィギュアスケート・シングル、
・男女一組のペア、
・アイスダンス、
・団体戦の、計5種が実施されます。
シングル
男子、女子種目。
ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で構成し競技する。
時間 ショート2分40秒±10秒、フリー男子4分30秒±10秒、女子4分±10秒
ペア
男子と女子の混合構成。
ショートプログラム(SP)とフリースケーティング(FS)で構成し競技する。
アイスダンス
男子と女子の混合構成。
ショートダンスとフリーダンスで構成し競技する。
互いに5秒間以上離れる、3秒以上頭上で腕を伸ばしてのリフト禁止などの規定がある。
団体戦
男女シングル、ペア、アイスダンスの4つの細部種目の点数を合算して順位が決まる。
スケジュールは、1/21の時点で以下のようになっています。
北京オリンピック2022 フィギュアスケートの開催スケジュール
日付と時間(北京と東京との時差は1時間) |
2月4日(金) |
北京時刻 10:02~11:15 団体戦:男子シングル:ショートプログラム 11:41~12:54 団体戦:アイスダンス:リズムダンス 13:22~14:55 団体戦:ペア:ショートプログラム |
2月6日(日) |
09:37~10:50 団体戦:女子シングル:ショートプログラム |
2月7日(月) |
09:22~10:09 団体戦:ペア:フリー 10:36~11:15 団体戦:アイスダンス:フリーダンス 11:42~12:21 団体戦:女子シングル:フリー |
2月8日(火) |
09:22~13:30 男子シングル:ショートプログラム |
2月10日(木) |
09:37~13:27 男子シングル:フリー |
2月12日(土) |
19:07~22:38 アイスダンス:リズムダンス |
2月14日(月) |
09:22~12:36 アイスダンス:フリーダンス |
2月15日(火) |
18:08~22:25 女子シングル:ショートプログラム |
2月17日(木) |
18:08~21:57女子シングル:フリー |
2月18日(金) |
18:38~21:43 ペア:ショートプログラム |
2月19日(土) |
19:08~21:53 ペア:フリー |
2月20日(日) |
12:00~14:30 エキシビション |
※開催時間は北京の時刻です(東京との時差は1時間)
北京が8時のとき、東京は9時となります。
※日程は1/17時点のものです。変更の可能性があります。
フィギュアスケートのまとめ
なぜフィギュアスケートと呼ぶのかといった、
歴史や由来を中心にまとめてみました。
氷の競技のなかでも、タイムで競わず、
優雅さや美しさを競う珍しい競技である理由が氷解したかと思います。
その華麗さゆえか、これまでは、女性スケーターを「Ladies」と表現していましたが、昨年から「Women」と変更されました。
採点ルールについては、Jスポーツさんのサイトに、
とてもわかりやすい解説があるので、そちらをおすすめします!
J-SPORTS フィギュアスケート競技解説
昭和から令和までの
フィギュアスケート漫画を集めた別記事
「フィギュアスケートを題材にした漫画をまとめてみた」もぜひご覧ください。
お読みいただき、ありがとうございました。
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最後まで読んで頂き、ありがとうございました。