同じ「ヨム」でも、
結構ちがう意味がある「よ・む」の字。
どう違うのかを漢字の意味から、
表にして比べて解説します。
「よ」んでやって下さい。
・専門用語や難しい言葉を使わない
・構成を「回答→補足→まとめ」にする
・必要に応じて「引用」を使う
「読」と「詠」の違いと漢字の意味
読/讀 | 詠 | |
訓読み | よ(む) | よ(む) うた(う) なが(める) |
音読み | トウ トク ドク | エイ ヨウ |
部首 | 言(ごんべん・げん) | |
画数 | 14画 | 12画 |
意味 | よむ。1語1句、短くよむ | うたう。詩歌をうたう。 |
推察する。みぬく。心をよむ。 | うた。詩歌をつくる。のべる。 | |
字のよみ。 よみかた。 | 〈日本〉よむ。和歌をつくる。 | |
数える。 | ||
会意 | 士 + 買(音 イク・トク) 讀⇒読(新字体) | 「言 + 音符永(ながい)」 |
途中でとまる音~音符 | 声を長くのばして詩歌をうたう。となえる。 | |
言と合わさり、息をとめて区切ることの意 | 泳(ながく水にうかぶ)と同系 | |
熟語 | 読経 読了 読本 読者 | 詠嘆 詠歌 詠草 詠人 |
読む・詠むは「よむ」ですが、意味は違います。
表でみたように、読むは「短く」詠むは「長く」よむ。
うたを読むと詠むを比べた場合、
読むは「よむ」で、詠むは「うた(う)」の「よむ」
そう、覚えると良いかと。
読むは、文字を読む | 詠むは心情を詠む |
ひとの心を読む | 私の心を詠む、(相手の気持ちになって)詠む |
短歌・俳句(の本、文書)を読む | 短歌・俳句を(創作して)詠む |
中国人は、短歌や俳句を「読」しません。「詠」するのです。
「読」は書いてあるものをみて言語化(黙読したり、音読したり)すること。
「詠」は自分の中にある思いをある形式にのせ言語化すること。
また他人の作ったそれを同じ気持ちで追体験すること。ですので、俳句の本を読むことはあっても、俳句を詠むとは言いません。
知恵袋
より引用
人類は話しはじめてから、言葉を文字にしました。
「詠」できたから「読」が可能になりました。
文字よりも先に、感情を歌にした。
書くより先に歌ったということ。
音声言語の「詠」があって、文字言語の「読」が生まれた。
だから、「歌を書く」ではなく、「歌を詠(よ)む」。
詩や短歌なども「読む」ことは重要です。
詩や短歌も俳句も「読む」からこそ、「詠む」ができます。
「読む」は、みぬく・推察する・洞察する。
すなわち、(短く)止まって「頭」で考えることです。
考えたからこそ、(長く・永く)うた詠えるのです。
「頭」を使う=情報の読み取りは、
相手の心情をはかることで「詠む・詠う」ことができるのです。
「訓」と「咏」の違いと漢字の意味
訓 | 咏 | |
訓読み | おし(える) よ(む) | うた うた(う) よ(む) |
音読み | クン キン | エイ |
部首 | 口(くち・くちへん) | |
画数 | 8画 | |
意味 | おしえみちびく。おしえさとす。いましめる。 | うたう。詩歌をうたう。 |
よむこと。解釈。字義をときほぐす。 | うた。詩歌。 | |
昔の(たよるべき)おしえ。(すじを通した)せつめい。 | ||
〈日本〉漢字を和語にあててよむこと。月:「ゲツ」→「つき」 | ||
会意 | 言 + 川 川は象形文字 | 口 + 音符永(ながい) |
難所やしこりを貫通し流れる ⇒ことばで難題をほぐして通す | 声を長く引いてため息する。 | |
声を長く引いて歌う。その歌。 | ||
泳(エイ)と詠(エイ)と同系 | ||
熟語 | 訓戒 訓練 訓示 訓話 訓読 | 咏嘆 咏歎 咏懐 |
同じ「よむ」でも、違いがありますね。
おし(える)の訓とうた(う)の詠・咏と比べると、
違いがわかりやすいですね。
訓は、規則をおしえる。相手につたえる。
漢文を日本語の語順や読み方に直して読む⇒訓み下し
「詠」むと「咏」むの意味は同じです。
まとめ
読むと詠むの違いを表にして、漢字の意味を紹介しました。
また、咏むと訓むも同じ「ヨム」なので表にして列記しました。
「よむ」は、わかったが「うたう」にもたくさん、
バリエーションがあるんですよね。